砂と霧の家

砂と霧の家 特別版
★★★★★
内容:亡き父が遺した家に独りで住む女性キャシー。
彼女はわずか数万の税金未納が原因で家を差し押さえられてしまう。
そして、翌日競売にかけられることとなった。
一方、イランから亡命してきたベラーニ大佐一家は、人生をやり直そうと、
競売に出された家を購入した。
そして、物語は意外な展開を迎える。


感想:愛するものを失うということ
人それぞれにある、「愛するもの」を失ったときの、喪失感が霧とともにやってきた。


この映画の真の主題は「ふるさと」を喪失したり、喪失の危機に直面した人間の悲劇であり、その絶望の深さではないだろうか。
「ふるさと」とは、生まれ育った祖国であったり、
唯一幸福な思い出が残る、愛する父親が残してくれた家だったりします。
そして、人々はそれにしがみついて生きていたりします。
ただそれは、ある種の人々にとって、あまりにももろくはかないものである。
そう"砂"をつかむかのように。。。
再び「ふるさと」を得ようとする人々は、"霧"の中をやみくもに歩くしかない。
果たしてその先にあるのは、天国か絶望か・・。